素足のトラブル辞典

がさつき(ひびわれ)

足の角質の滞留によって、"がさつき"は起こります。歩く時に刺激を受けやすいかかと部分や、ヒール靴などによって重心が偏りがちな前足部(指の付け根の下辺り)は特にがさつきがちです。がさつきをそのままにしていると、筋状や鱗状の筋やひびが入り、そこからひび割れてしまい、歩行に痛みを伴うこともあります。主な原因は皮膚の乾燥。足裏には、汗腺はありますが皮脂腺がないため、皮膚の乾燥を招きがちです。歩行などで足元には常に圧がかかっているため、足裏を守ろうと角質層が厚くなっていきがち。そこに乾燥が加わることで、一気にがさついてしまうのです。温度と湿度の下降によって空気の乾燥が起きる冬場だけでなく、エアコンにさらされて意外と皮膚が乾燥しがちな夏場も注意が必要で、最近では年間を通じたトラブルになりつつあります。また、ヒールが高い靴を履くことで足裏に無理な負担をかけたり、ペタンコ靴でもサイズがゆるく足が中ですべってしまうような状態だと、余分な摩擦が起こりさらにがさつきを招いていることも。姿勢や歩き方が乱れている場合も、足裏に偏った負担をかけてしまい、角質化→がさつき化していることもあるので、注意しましょう。ただし、ただのがさつきに見えても、場合によっては角質増殖型の水虫にかかっていることも。保湿などを行っているにも関わらず症状が長引く場合には、一度専門家に相談してみてください。

予防法

■こまめな保湿
保湿クリームを塗る

乾燥を防ぐには、こまめな保湿がカギ。できれば朝晩2回、気づいた時に保湿剤を塗りこむように心がけましょう。顔に使った残りの保湿剤を塗るだけでも、何もしないより効果的です。ただし、数回使っても乾燥が残る、がさつきが緩和しない時は、保湿が足りていない場合も。回数を増やす、テクスチャーが異なるものを使用するなど、自分に合う量やものを探ってみてください。また保湿後、裸足で歩きまわるうちに保湿剤が落ちてしまったり、空気で乾燥しやすくなるということもあるので、べたつき予防もかねて保湿後に靴下を履くのもいいでしょう。

■角質をOFF
軽石禁止

角質が厚いと、保湿剤がなかなか浸透しないことも。厚みが気になるときには、事前に角質を処理してから、保湿しましょう。ただし、処理を間違えると、かえって角質がたまってしまうので注意が必要。特に軽石など目の粗いものだけを使うことは、足への刺激が強く、必要な角質までとってしまい、かえって症状を悪化させてしまうことがあります。自己処理には、足への負担の少ないスクラブやピーリングタイプなどがお勧めです。

■足に合った靴を選ぶ
足に合った靴

合わない靴による摩擦や軋轢で角質が厚くなり、がさつきの原因となることも。足囲(ワイズ)を合わせ、足の横アーチや甲でしっかり支えるタイプの靴を選び、足先が詰まった靴や極端にヒールが高い靴など、足への負担が大きいものは避けるようにしましょう。ヒールが低くてもゆるい靴だと摩擦が起きてしまうので、大きいサイズも避けた方が賢明です。また、ミュールのようにかかとが出るタイプの靴は、不安定になりがちなので注意が必要。最初は、シューフィッターなどに見てもらいながら正しい靴の感覚をとらえ、インソールやシューズバンドなどで微調整をすると足への負担が軽くなります。

■足の疲れをとる
リラックス

足の疲れをとらないままでいると、足裏への負担が日々積み重なっていってしまいます。足を伸ばしてリラックスさせるだけでも変わります。足先を少し上げた状態で足を伸ばすとさらに効果的です。特に足が疲れ気味の時には、足先から脚の付け根に向かって優しくマッサージをして、足元に滞った不純物や疲れを体液の循環で流してしまいましょう。

■生活リズムを整える
健康的な生活

栄養が損なわれている、睡眠が足りていないなど生活のリズムが狂ってくると、肌の状態は悪化していきます。足裏も例外ではありません。健康的な生活を守りながら、体の中からコンディションを改善していくことも心がけましょう。

監修

大島道子(おおしま・みちこ)

大島道子(おおしま・みちこ)

横浜・元町にあるフットケアサロン「aplicie?アプリシエ?」主宰。JRECリフレクソロジスト、ポドロジスト、Orthotics?Societyフットケアトレーナー、AFA自然療法フットセラピスト他。多様化する足のトラブルへの施術だけではなく、フットケアやウォーキングのセミナー等も行っている。

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