足ツボ師 Mattyさん
Matty(まてぃ)さん 台湾で修行し18年以上のキャリアをもつカリスマ足ツボ師。台湾足ツボをベースに現代の足のトラブルに対応した各国のフットケアを盛り込んだ即効力と改善率の高い『Matty式足ツボ』を考案し、今日からの健康維持を自分で出来るようアドバイスする技法が人気。現在は講演会やセミナーなど自分で出来る足ツボ・フットケアの直接指導で活動している。著書に『Matty式足ツボ10分解毒マッサージ』(ワニブックス)、『Matty式足ツボ症状別7日間プログラム』(ワニブックス)など。2010年には 『DVDで教えるMatty式足ツボ解毒マッサージ』(ワニブックス)も出版した。 ブログはこちら→こちら
ツボの即効性に感激!「Matty式」の誕生
ツボの世界に入ったきっかけは、以前会社勤めをしていた時に、仕事や人間関係のさまざまなストレスのせいか、規則正しかった生理がある日突然止まってしまったことでした。しばらく放っておいたのですが、ある日病院に行ってみたら、卵巣嚢腫が発見され、すぐに部分摘出。手術は無事に終わったのですが、なかなか生理は来ませんでした。
その後、整体やら鍼やら、いいというものは色々挑戦しましたが、効果なし。1年くらいたったある日、「婦人病に効く」って入口に書いてある足ツボ屋さんに、ふと入ってみたら、なんとその日の夜に生理が来たんです。何より自分の実体験ですから、これほどの説得力はありません。そこから興味を持って調べたところ、ルーツは台湾で、しかもすごい先生たちがいっぱいいるらしい、と。ビビッと来るものがあったので、会社をやめてすぐに台湾へ渡り、1年ほど滞在しながらいろんな先生に足ツボを習ってきました。
日本に帰ってきて、いろんな人の足を見るようになったんですが、今度は習ったことのないタイプの足ばかりに巡り合うようになったんです。例えば、外反母趾、タコがたくさんある、角質が厚くて指が入らない...など。台湾では見たことのなかった足ばかりで、角質の処理の仕方などもわからない。だから、今度はその足を何とかするためにフットケアの勉強をしたり、イタリアやドイツの先生のセミナーに行ったり、時には市場調査と勉強もかねて実際にヨーロッパまでいってみたりしました。
その結果、現代足、特に日本人の足はここがトラブルっていうポイントがある程度、見えてきた。しかも、私自身もツボでここがおかしいっていう所があった時に検査にいったら病気が見つかるなど、本当にびっくりするくらい足ツボって当たる。しかも、お金もかからず、副作用もないし、生まれたての赤ちゃんでもできるし、こんないいものはない。そこでそのトラブルを自分でも自宅で簡単にできる方法を教えようと、これまでの台湾式をベースにさまざまな要素を盛り込み、「Matty式」を考案しました。「自分の足ツボ師は自分」というのが基本です。何十年も子供ができなかった人が、「Matty式」をはじめて1年もたたずに子供ができたとか、花粉症が治ったという人も多いんですよ。
日本人の9割は足のトラブルがある!?
私が思う理想的な足は、「足裏が角質もなくやわらかく、生まれたての赤ちゃんのようなやわらかい足」。あとはただ細いモデル足ではなく、ほどよく筋肉もついていること。具体的には、キャメロン・ディアスさんや藤原紀香さんの足は好きですね。ふくらはぎがきゅっとして、筋肉がきちんとついているけど、がりがりじゃない。
でも、そんな足はなかなかいません。また、これまで私が見てきた足の8、9割はトラブルがある。巻爪だったり、爪の間にゴミが入っていたりという人も含めると、トラブルがない人なんて10%もいない。でも本当は、足ツボや病気に向き合う前に、まずはフットケアで地ならしをすることが大切です。足が汚いのに、足ツボなんて触りたくもないでしょう(笑)。
例えば、自身でのこまめな角質ケア。年齢は関係なく、小学生でも角質がひどい子がいます。でも、角質が多く硬くなった状態だと、鉄板のかわりになってしまい、指がツボに入れない。まずは、リムーバーやピーリングパックなどで角質を落とし、クリームでケアするようにしましょう。
また、角質がつく第一の理由は、正しい立ち方をしてないから。後ろに重心がかかると、かかとに角質がついてしまいます。日々の姿勢は非常に大事ですね。ほかにも、アスファルトの地面をヒール靴で走る、荷物を片方に持っている...なども、一部に角質がつきがちです。こういった生活習慣を見直すことも大切です。
また、靴の選び方も重要です。昔、ニューヨークの市場調査をした時には、まだ足ツボもなければフットケアサロンもありませんでした。でも皆、オフィスに行く時はスニーカーを履き、会社に着いてからヒールに履き替えていた。足に対する意識が高いんです。でも、日本人はフットケアの知識がないまま「かっこいいヒール靴を履きたい」という気持ちだけで履いてしまっている。だから、ヒール靴で走ってしまったりするんです。
中学2、3年生で足の成長は止まります。ですから、そこで足の特徴を見て、デザインだけではなく、足の形にあったものを選び、足裏のトラブルを予防し改善することが大切です。シューフィッターさんに「ここに角質があるので、できない中敷きを入れて下さい」など、きちんと伝えればそれに合わせた靴を提案してくれます。地面から足を守ることが大事ですから、靴はおざなりにしないようにしましょう。ちなみに、私は足の裏のゴムに切れ目が入っているナイキの靴を数年愛用しています。
爪の間、足の指の間の汚れは必ず除去
また、毎日の入浴時にもフットケアを習慣づけましょう。まずは、爪の間の汚れをきちんと取ること。最近は、湯船に入らない女性が増えていますが、シャワーは足の上からお湯をかけるだけなので、爪の間の石鹸カスや泡が取れにくい。そうしてたまった汚れは、足の臭いの原因にもなります。傷をつけないように、そっと楊枝でとったり、フットケアブラシで洗うようにしましょう。自分の爪で汚れを取るのは、雑菌が行き来するだけで意味がないので厳禁です。また、時には湯船の中でマッサージや足指のグーパー運動などをして、垢を出すような感じできちんと流すのも大切。きれいにした後は、血が出ていなくても念のため消毒液で消毒しておきましょう。
指の間も汗をかくとどうしても雑菌が入ってしまうので、きちんと洗うようにしましょう。ポイントは、指の水かきの部分も洗うこと。水かきの部分にリンパのツボ、むくみのツボがあるんです。だから美肌にも効果的。お風呂の石鹸の泡を利用して、水かきの内側も外側も洗う時に指があたるよう、山を越えるように指の間をしっかりと固定して洗ってください。横から見ると台形になぞる感じですね。
そして、洗った後はきちんと拭くこと。特に爪の間に水滴がついたままだと、冷えの原因にもなります。また残った水滴が埃などを吸収し、水分が蒸発した時に皮膚に刺さった状態になり、そこから傷がついて水虫などの病気にかかってしまうことも。しかも足の冷えは不眠の原因にも。お風呂上りはバスマットじゃなく、体をふいたタオルで指の間をふくようにしましょう。
足裏を無意識で触ると、不調がわかる
最後に、体を洗う時やお風呂の中で何も考えずに足裏をぱっと触ってみましょう。そこが、体の中で今一番悪いところ。実際、その部分をツボの一覧表で突き合せてみると、最近調子が悪いところだったり、実は両親や祖父母がかかっている病気であることが多いんです。しかも、一覧表を見た時に「あ、これ目のツボだな。ここが今悪いんだな」とわかれば、「ああ、そういえば...」って気付くこともできる。逆引きが大事なんです。将来の病気になるかもしれないわけですから。
指先を触られると感覚があるように、人間の感覚は本来、とても研ぎ澄まされています。実際、知恵袋をひも解いてみると、意外とツボとの関連性があるんです。例えば、赤ちゃんって親指をしゃぶりますよね? 実は、親指はストレスのツボ。お腹すいてしゃべれないから、イライラして指をしゃぶる。他にも、緊張した時に「人の文字を手のひらに三回書いてなめる」というものがありますが、実は土踏まずの部分は、緊張しないためのツボ。だから、手の土踏まずの部分にあたる真ん中を触るとなんだか安心するんです(笑)。古くから無意識でこういったことを行ってきたんです。
しかし、現代社会では、本当にこうした感覚が鈍感になっている。頭を酷使する頭脳プレーが本当に多い。でも、頭で考えすぎていると、脳に血液がとられ、体に血液がいかなくなってしまう。すると、頭で考えても今度は体が動かなくなってしまう。本来、脳と体は切り離されているわけですから。なので、ちょっとした楽しい話題でリラックスする場を1日10分は作る、電気を消してキャンドルを1、2個買ってお風呂に入るなど、クールダウンをすることも非常に大切ですよ。